毎日の歯みがきだけでは取れない「歯石」とは?歯周病予防のために知っておきたい基礎知識と対策方法

はじめに|「歯石=ただの汚れ」ではありません

「定期健診のときに歯石を取ってもらったけど、実はよくわかっていない…」そんな方も少なくありません。
歯石はただの食べカスではなく、放っておくと歯ぐきの炎症や歯周病を引き起こす「細菌性の石灰物質」です。

今回は、歯石の正体とそれが引き起こすリスク、そして定期的なメンテナンスの重要性について、専門的に解説します。

歯石とは?プラークとの違いと生成の仕組み

歯石は「プラーク(歯垢)」が唾液中のカルシウムやリン酸と結合して石灰化したものです。
プラーク=細菌とその代謝物の集合体であり、歯面や歯肉縁下(歯ぐきの中)に付着します。

放置すると24〜72時間以内に石灰化が始まり、硬くなって歯みがきでは除去できなくなります。
歯石は「歯肉縁上歯石」と「歯肉縁下歯石」に分けられ、後者はより病原性が高く、歯周病の進行に直結します。

歯石が引き起こす3つの重大リスク

慢性的な歯肉炎・歯周炎
歯石表面はザラついており、新たなプラークの温床になります。炎症が長期間続くことで歯ぐきが腫れ、出血しやすくなります。

歯槽骨の吸収
歯周炎が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が徐々に吸収され、歯がぐらつく・抜けるリスクが高まります。

口臭の発生
歯石に定着した嫌気性菌が硫化水素などの悪臭ガスを発生させ、強い口臭の原因となります。

定期検診でのスケーリングとその効果

歯石は歯科医院で超音波スケーラーや手用スケーラーを用いて専門的に除去されます(スケーリング)。
歯科衛生士が行うプロフェッショナルクリーニング(PMTC)では、歯石だけでなくステイン(着色)やバイオフィルムも除去できます。

定期検診でのスケーリングにより:

歯肉の炎症が改善される

プラークの再付着が減る

歯ぐきの引き締まりが促される

歯周ポケットの改善につながる

といった歯周病予防および初期治療としての効果があります。

まとめ|歯石除去は予防医療の第一歩

歯石は見た目の問題だけではなく、歯を支える組織の破壊につながる重大な病因です。
「痛くないから大丈夫」ではなく、「悪くなる前に落とす」という考えが重要です。

スケーリングや歯科検診を定期的に受けることで、将来の歯の喪失リスクを減らし、全身の健康にもつながります。
特に歯周病は糖尿病や心疾患とも関連する慢性炎症であるため、早期対応が重要です。

気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。

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