歯科予防・定期検診
定期メインテナンスの重要性
高齢になった時の残存歯数
日本は世界トップクラスの長寿国ですが、高齢者の残存歯数を見てみると、近年、歯を保っている割合は増えてきているものの、まだまだ欧米の歯科医療先進国と比較すると高い数値とは言えません。
特に中高年以降になると、急速に歯を失っていく傾向があるようです。
メインテナンス受診率の差が影響?
なぜ日本は歯を失う率が高いのかを見ていくと、欧米の歯科医療先進国との差は「予防意識」「メインテナンス受診率」の差にも表れているようです。
日本ではいまだに「歯医者は歯が痛くなってから行くところ」という考え方が根強く残っていますが、欧米の歯科医療先進国では、「そもそも悪くならないように、普段から予防で歯医者に行く」といった習慣が強くあるようです。日本と違い医療費が高いこともあってか、「悪くならないようにする」ということが大切になってくることも要因として考えられます。
メインテナンスの効果は証明されている
今や歯科医療先進国となっているスウェーデンも、過去は日本のようなむし歯だらけの国でしたが、国をあげて予防に注力し、80歳で平均残存歯数20本以上を達成しました。そのスウェーデンのペール・アクセルソン教授は歯科における予防の第一人者です。ペール・アクセルソン教授は、スウェーデンでの30年間の長期に渡る臨床研究で、正しいメインテナンスを継続することによって、97.7%の歯を残すことが可能であることを発表しました。
歯科医院に行く間隔について
特にお口に問題がない場合は、6ヶ月に1回程度。 歯周病の治療を受けていた方は、3~4か月に1回程度の間隔で歯医者に行きメインテナンスを受けましょう。歯周ポケット内の歯周病菌は、「予防処置後12~16週」で元に戻っていきます。 そこで歯周病菌の量が増えてお口の中に悪影響を引き起こし始める前に、メインテナンスを受ける必要があります。
PMTCとは
「PMTC」とは、
- P=プロフェッショナル=歯科医師・歯科衛生士
- M=メカニカル=機械的
- T=トゥース=歯
- C=クリーニング=清掃
のことです。歯科医師や歯科衛生士が、毎日ご自身で行うハミガキ(セルフケア)では落とすことのできない歯の汚れやバイオフィルムを、専用の器具を使用してクリーニングします。歯のまわりには多種多様の細菌が住んでおり、その細菌が作り出すヌメヌメしたもののことをバイオフィルムと言います。このバイオフィルムは、バリアのような働きをして細菌を守りつつ、歯面などに強力に付着するため、歯ブラシではなかなか取り除くことができません。また、薬剤でも取り除くことは困難です。つまり、専用の器具で機械的に除去していく必要があるのです。そのための最も効果的な方法が、PMTCです。
当院で行う歯科予防
歯並び、呼吸や嚥下にも着目した歯科予防
当院では、お口の中を清潔にして虫歯や歯周病を防ぐだけでなく、歯並びや呼吸、嚥下(ものを食べる・飲み込む動作)などにも着目してケアを行っています。虫歯や歯周病の主な原因は、お口の中の細菌です。しかし実際には、キレイに歯磨きしているつもりなのにお口のトラブルが起こってしまうという事例も多々見受けられます。そのため私たちは、お口のトラブルには細菌の他にもなにか原因にも着目して予防を行っています。例えば口呼吸。口呼吸が習慣になっている患者さんはお口のトラブルを引き起こしやすく、虫歯や歯周病の再発などのリスクが高いのです。当院では、お口の健康を維持するための方法のひとつとして、すべての患者さんに呼吸法についての指導・アドバイスを行っています。
基本的な歯科予防の流れ
患者さんの年齢や生活習慣、お口の状態をもとに、何故こうなったかを原因を考えて話を聞きながら予防プランを立てます。また、呼吸が全身や口腔内に影響があるかも説明致します。歯並びが気になる場合、追加で検査致します。