あなたの咬合力、測定してみませんか?歯ぎしり・食いしばりは歯科でのボツリヌス注射でコントロール!
今回はボツリヌス療法についてです。
こんなお悩みはありませんか?
・朝起きたときに顎がだるい、疲れている
・歯がすり減ってきたような気がする
・頭痛や肩こりがなかなか改善しない
その原因、実は「歯ぎしり・食いしばり」かもしれません。
歯科領域でのボツリヌス注射は「歯ぎしり、食いしばり」を緩和させる目的で用いられます。
美容医療でシワ予防や小顔効果で広く知られている「ボトックス」というものと同じ成分です。「ボトックス」は実は商品名で、ボツリヌストキシンという成分が含まれている数あるボツリヌス製剤のうちのひとつです。
歯科領域ではを主に咬筋に注射することで、筋肉の過剰な動きを抑え、歯ぎしり・食いしばりを緩和します。
「虫歯予防」「歯周病予防」は皆さんよくご存じのことと思います。
それと同じくらい重要な「咬合力(咬む力)のコントロール」ですが、虫歯や歯周病と比較すると一般の方へは周知されていません。
歯ぎしり、食いしばりはなぜ緩和させるべきなのか
歯ぎしり(ブラキシズム)や食いしばりは多くの人が無意識に行っている癖の一つです。しかし噛み合わせに問題があったり、咬む顎の力が強い場合は以下のような問題を引き起こします。ボツリヌス注射は咬む力そのものを弱める治療のため、これらの問題を緩和させたり予防することができます。
1. 歯の摩耗・破折
強い力で歯をすり合わせることで、歯の表面がすり減ったり、最悪の場合はヒビや破折が生じることがあります。破折の位置によっては抜歯になってしまいます。
2. 顎関節症のリスク
過度な力が顎関節にかかることで、顎関節に痛みが生じたり、口の開閉が困難になることがあります。
3. 歯周病の悪化
強い食いしばりは歯ぐきや歯の根元にも負担をかけます。歯を支える骨の吸収が進んだ結果、歯周病を悪化させる可能性があります。
4. 頭痛・肩こり
咬筋(噛むための筋肉)の緊張が続くことで、頭痛や肩こり、首のこりが引き起こされることがあります。
特に、咬む力が強いがために歯が割れてしまい抜歯となってしまう方は珍しくありません。しっかりと歯磨きをしていても歯の破折は避けられないため、むし歯予防とは別に咬む力のコントロールがとても重要になります。
また、ご自身の歯や顎関節だけでなくインプラントの予後にも影響があります。
咬む力が強すぎるとインプラントにも様々な偶発症が生じ、最悪の場合抜去しなくてはならなくなることもあります。
(詳しくはこちらの論文をご参照ください。”オーバーロードとインプラント治療の偶発症”)
咬筋ボツリヌス注射の効果の持続期間について
効果の持続期間→3ー6ヶ月程度
1-2週間程度で少しずつ効果が現れ始めます。2週間~1ヶ月でほぼ最大の効果が現れます。そのため1ヶ月経っても十分な効果が得られない場合は診察により追加の投与が必要な場合もあります。
また万が一ボツリヌス治療が合わないと感じる場合も、ボツリヌスそのものの効果は永久的なものではないため時間が経てば元に戻ります。
咬筋ボツリヌス注射の頻度について
効果には個人差がありますので、適切な治療間隔や注射の量は歯科医師の診察、相談の上で決定していきます。
一般的に2回目は4-6ヶ月後、3回目もその4-6ヶ月後、それからは半年程で十分になる方が多いです。筋肉の発達度合いや噛み締めに
個人差はありますが、ある程度効果が安定してきたら、年に1-2回で十分になることもあります。
筋肉には使わないと筋肉が退化し小さくなる性質(廃用性萎縮)があります。ボツリヌスそのものの効果の持続期間は3-6ヶ月程度ですが、完全に効果が無くなり筋肉が元に戻る前に次の注射をすると効果の維持、また更に大きな効果を得ることができます。
実は美容医療でよく聞く「小顔のためのエラボトックス」と歯科医院での咬筋ボツリヌス注射は全く同じ仕組みです。咬筋(エラ)にボツリヌスを注射することで廃用性萎縮が起こり、その分輪郭がシャープになるため美容医療では小顔効果を目的として施術されております。歯科医院では咬合力のコントロールのための治療としてボツリヌス注射を行っておりますが、副次的な効果としてフェイスラインがすっきりするということもあります。
治療の流れ
1. カウンセリング:症状を詳しく確認し、適応かどうかを判断。
2. 注射の施術:痛みには個人差がありますが、そこまで強くはありません。ご希望の方は表面麻酔をすることも可能です。
施術時間は5〜10分程度。
3. 経過観察:2週間ほどで効果が現れ、約3〜6か月持続。咬合力を定期的に測定したり経過観察をします。
4. 必要に応じて再施術:効果が完全に戻りきる前に追加で注射を行う。
5. 継続施術の効果:繰り返し施術することで、咬筋が過度に発達することを防ぎ、次第に注射の間隔が長くなることも期待できます。
注意点
・効果には個人差がありますが、効果の出始めは固いものなどを噛むときに顎が疲れるように感じられることがあります。
・施術後、2〜3日間は強いマッサージや過度な運動を避けていただきます。
・妊娠・授乳中、神経筋疾患のある方などボツリヌス注射が受けられない場合があるため、事前に医師との相談が必要です。
咬む力のコントロールは、歯を守る上で虫歯や歯周病予防と同じくらい大切な要素です。
歯ぎしり・食いしばりによる歯や顎のトラブルを、軽減できるのがボツリヌス注射の強みです。継続的に施術することで筋肉がやわらぎ、日常の負担も軽くなっていきます。
当院には咬合力を測定する機械があります。歯ぎしり食いしばりは無自覚な場合がほとんどですのでまずは一度、咬合力の測定だけでもしてみませんか?平均的な数値は男性で581N、女性で446Nですが、中には1500Nを超える方もいます。当院では、2000Nを超える方が抜歯になるケースもありました。ボツリヌス注射以外にも様々な治療がございますので、あなたの症状に合った最適な方法をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
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Smile Fit Dental Studio
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