当院の根管治療

当院の精密根管治療

マイクロスコープの使用

拡大視野下での精密治療

当院では、マイクロスコープを使用して、複雑な形状をしている根管を拡大して精密に確認しながら治療を行います。根管治療では、細菌に感染した神経や血管などを根管内部から除去し、根管内を洗浄・消毒してから薬剤を注入して密閉・封鎖する治療ですが、根管はとても複雑な形状をしており、根管内に少しでも細菌を残してしまうと再発するため、肉眼での手探りのような治療には限界があります。当院で導入している「デジタルマイクロスコープ」では、最大80倍に拡大することが可能です。

再発リスクの低減に

マイクロスコープを使用することで、拡大視野下で、しっかり目で見える状態で感染部分の除去ができ、再発リスクの低減につながります。

アメリカでは、根管治療の専門医にはマイクロスコープの使用が義務づけられており、その必要性が認められていますが、日本では歯科医院全体の約2%程度しか普及していないといわれています。

穿孔などの事故を避けるために

「経験」や「勘」だけに頼って、手探りのように治療することは、ファイルという尖った器具で根管を突き破る「穿孔(せんこう)」を起こしてしまうこともあります。このようなリスクを低減するためにもマイクロスコープを使用した根管治療が大切になります。

ラバーダム防湿

根管治療では「0.01ml」の唾液が根管に入っただけでも治療は失敗に終わるといわれており、根管治療の成功と再発リスクの低減には「無菌状態」で治療を行うことがとても大切です。ラバーダムの使用は、唾液の侵入をさえぎる隔壁となります。また、湿った状態では、接着に良い環境ではないのですが、ラバーダムによって乾燥を保つことができます。

ニッケルチタンファイル

根管治療では、感染した歯髄を除去するため「ファイル」と呼ばれる細く尖った器具を使用します。当院では「ニッケルチタンファイル」を使用しています。一般的に使用されているステンレスファイルは、柔軟性が足りないため、曲がりくねった根管の形態に沿って曲がらず、根管を壊してしまうこともあります。しかし、ニッケルチタンファイルでは、柔軟性に富み、曲がりくねった根管内部の清掃に適しており、また、ファイルの破折のリスクも抑えられます。

MTAセメントの使用

再治療を繰り返した根管では、根管そのものの形態が度重なるファイルの使用によって破壊されてしまっている場合もあります。このような場合、根管を補修する必要があるのですが、これまでの治療では良い補修剤はありませんでした。しかし当院では「MTAセメント」を根管の修復に使用しています。

根管治療(歯の根の治療)について

根管治療(歯の根の治療)とは

むし歯が神経にまでたどりついてしまった場合も、「根管治療(歯の根の治療)」を精密に行うことで、歯を抜歯から救うことにつばがります。根管治療とは、歯の根の部分に対して行われる治療です。根管治療には「抜髄(ばつずい)」と「感染根管治療」の2種類があります。どちらも、数回かけて根管内を洗浄、殺菌し、きれいになった根管内に根管充填材と呼ばれる材料を充填します。根管充填後に、被せ物の土台(コア)を作り、被せ物をします。

抜髄(ばつずい)

「抜髄(ばつずい)」は、むし歯が歯の神経まで達している場合に行われる処置で、歯の神経を取り除く治療です。神経がどの程度むし歯菌に汚染されているかによって、根管をきれいにするまでに必要な回数や期間は変わります。

 

感染根管治療

「感染根管治療」は、一度、根管治療を行った歯に対して行われる処置です。歯根の先端に根尖病巣と言われる膿の袋ができてしまった場合や、根管内に根管充填材がきちんと入っていない場合などに行われます。 

基本的な根管治療の流れ

STEP1 検査

検査器具やレントゲン、CTで、歯やあごの骨の状態を調べます。

STEP2 治療計画の説明

歯やあごの骨など、お口がどんな状態なのかをご説明し、治療計画をご案内します。

STEP3 根管治療

感染歯質を除去根管内を拡大し、根管内に充満した切削片を除去するため、根管内部を薬剤を使って洗浄、消毒します。その後、根管内に薬を塗ったら、1度目の治療が終了です。 歯に空いた穴は、セメントや仮歯で保護しておきます。

STEP4 根管充填

根管拡大が完了し、症状が改善した場合、最終的な薬剤を充填する根管充填を行います。

STEP5 人工歯の装着

根管充填が完了し、何も問題がなければ、土台(コア)を作り、最後に被せ物をします。

STEP6 メインテナンス

治療を長持ちさせるために、定期検診や歯のクリーニングを受けることをおすすめします。